世界はこんなに素晴らしい

日々考えたことを書き残す

わからないとわかっていながら進む進む僕たちは

 電車に揺られてどこか遠くへ行く。できるだけ遠くへ。自分を探すために出発する。おそらく自分というものはこんなことでは見つかるはずはない。そう思っていながらも進む。旅に出るんだと一番の親友に切り出した時に、友達に言われた言葉が脳裏をよぎる。「たぶんな、逃げても自分のことは簡単にわかったりしねぇよ。」

 いつのまにか寝てしまっていた。どのくらい寝ただろうか。ここはどこだ。サッシをあげて今にも沈みそうな夕日を見る。空きに空いた腹にぬるくなったコーヒーを流し込む。「孤独だなぁ」次の駅で降りた。降りようと思った時が降りどきなのだ。

 電車から駅のホームへと降りたらすぐにぬるい風が僕を覆った。不快だ。同じ方向を向いて、それぞれのスピードでそれぞれが歩いている。みんなどこに向かって歩いているのだろう。何をしているのだろう。どこまで進んでもそんなことはわからないのだ。