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鳥はいいよね、飛んで逃げられてさ

ある東日本大震災に関連する番組を見ていた。その番組で被災した子供が放った言葉が僕の胸に突き刺さった。

 

鳥はいいよね

飛んで逃げられてさ

 

僕はこの言葉を聞いて涙をこらえきれなかった。海岸で海をぼんやりと眺めながらポツリと少年はこの言葉をつぶやいた。

 津波を経験して、震災で多くのものを失った、そういう人からでる言葉。僕は実際に震災を経験していないけれども、すごく胸が痛くなった。

 

僕は一度だけ東日本大震災の被災地を訪れたことがある。ボランティアとして行った。そこで多くの人から被災した時の状況を聞いたり、震災に対する思いを聞いたりした。

でも、そういえば震災を経験した子供と話す機会はなかった。直接聞けることはなかった。子供はどんな思いをしているのだろう。

僕はこの番組でこの言葉を聞いてとても辛くなった。悲しくなった。震災でこういう思いをしている子供がいることを知った。

 

この言葉を重く受け止めている。何気ない言葉だろうけど、この言葉にはものすごい思い、力が込められていると感じた。僕はこれから鳥を見て、なんとなくこの言葉を思い出すだろう。ふとした時にこの言葉を思い出すだろう。この言葉によって僕は震災を少し近いものに感じることができるのではないか、自分の身近で忘れないでとっておける言葉なのではないか、そう思う。

 

鳥は翼を使って飛んで逃げることができるけれど、人間は飛んで遠くに逃げていくことはできない。一歩一歩自分の足で遠くまで歩いて行くしかない。

 

 

地震が僕にこの言葉を思い出させた。