世界はこんなに素晴らしい

日々考えたことを書き残す

僕はGWヤッホイだったけど、動物園のゴリラはGWウッホイではなかった。

動物園に行った。小学生の時以来だろう、多分。

僕は長い間動物園に行きたいと思っていたけど、行くことができていなかった。行きたいけど、行けていない場所はいくらでもある。

GWでかなり多くの人が動物園にいた。家族づれからカップルから、少し年をとった人から、スーツを着た人まで、いろんな人が動物園に集まっていた。

 

動物園というのは、人間の世界の縮図みたいなところだと感じたところがあった。人気の動物、不人気の動物がいる。ゾウとかライオンとか、コアラとか、そういうのはほんとに人気者。みんながこぞって見ている。人が押し寄せて押し寄せて、そこには人の波が途切れない。一方、エミューとか、サイとかカバとか、そういうのは見ている人が少ない。不人気者だ。そういうのを見ている人がいないわけではないが、つるんでいるのはごくわずかな人。長く滞在せずに、すぐどこかに行く。写真も撮らない。

 

僕はこの世界では不人気ものだろう。サイとかカバとかになるだろうか、とか考える。

 

僕は動物園に行くことで、動物園で飼われるような動物に生まれなくてよかったな、と思ったりした。これは水族館とかでも思うのだが、少し動物の気持ちになってみたりする。まず檻の中で飼われて、これだけ多くの人に見られて、写真も撮られて、食事や排泄をするところまでジロジロと見られる。

 僕だったら耐えられない。動物たちはもう諦めてどうでも良くなっているのだろうか。僕もそうなるだろうか。自分が置かれている世界に絶望する。もっと自由に生きたかったとか思っているのだろうか。

 

ゴリラを見ている時だった。ゴリラは全然楽しそうじゃない。暑さもあってか、ずっと顔がこわばって見える。

動物園に集まる僕たち人間はゴールデンウィークヤッホイだけど、動物園のゴリラはゴールデンウィークウッホイではなかった。じっと壁にもたれて、こちらを睨んだり、頭をポリポリ掻いたりする。もう暑さとか人の波にうんざりしているようだ。やっぱり自分が置かれている場所に諦めが感じられる。

 

僕はふらふらと動物を眺める。興味があるものはじっと見て写真を撮ったりして、あまり興味がないものは、横目で見ながら通り過ぎたりする。看板を見て、こいつは見なくても良いやと思ったら他の動物を見に行く。それでも、人の集まるところに人は集まり、何かざわざわしていると興味本位で見たくなっちゃう。行列ができる店はうまいというように、人が並んでいる場所、人が押し寄せている場所へはなぜか顔が向いてしまう。

 

僕がそんな風に歩きながら動物を見ていた時だった。

変な鳴き声が聞こえたから、なんの動物だろうと振り返ったら、動物みたいに笑うおばさんがいた。動物の鳴き声みたいに笑っているおばさんがいた。僕は少し怖くなった。

 

僕は動物園に行った。面白かった。色々な出会い、色々な学びがあった。写真もいっぱい撮った。また、行きたいと思う。今度は女性と一緒に、二人ではしゃぎながら見てみたいと思う。