ここぞって時に勝てるかどうか
人生には、ここぞっていう勝負時が必ずあると思っている。
必ずそういうときが訪れるって思っている。
それはもうすでに通り過ぎてしまっているかもしれない。
だけど、生きているうちは、ここぞって時が何度かやってくる。
だから、その勝負時は、これからまだまだ生きているうちはやってくる。
勝負時に勝てるかどうかだ。
「人生は9勝6敗でいい」
いま読んでいる本にこれが書かれていて、僕はこの考えをそのまま受け止めている。
まさに、そうだろう、と。これは決して諦めではなく、それでいいのだ、と。
人生勝ちもあれば負けもある。
勝てる時もあれば、負ける時もある。
勝ち続けなくていいし、そもそも勝ち続けることは簡単なことじゃない。全勝なんて無理なことだ。
勝つことが一番大事で、とにかく何よりも勝つ方がいいのでは、と思うけど、負けることが大事な時だってあるのだ。
ここは負けておいていい。でも、ここは絶対に勝たないといけない。
そういうことが考えられる。
その勝負時の見極めは非常に難しいだろうと思う。
いま挑もうとしている勝負がここぞって時で勝つべき時なのか、ここは負けておいてもいいものなのか、それを判断するのは難しい。
たぶん、感覚としてなんとなくわかったり、わからなかったりするのだろうと思う。
後から、あれは勝負時だったなとか、あそこで負けても別によかったなとか思う、そういうことも考えられる。
または、あれは別に勝負時でもなかったのだな、と思うこともあるかもしれない。
とにかく、勝負どころの見極めは生きる上でかなり大事だと僕は思っている。
どこで勝って、どこで負けるか。
人生、全勝なんてわけにはいかないのだから、全部勝とうとしなくてもいい。だけど、勝ち越すことは大事かもしれない。
僕はいまある勝負に取り組もうとしている。いまがここぞっていう勝負時じゃないかと思っている。
ここは自分にとって勝負時だと思っている。負けるわけにはいかないと思っている。
ここぞって時に勝負するために、日々努力を続けなければいけないと思う。
勝つべき時に勝つために、日々がある。力を蓄えて、備えておかなければいけない。
勝負どきが来たのに、そこであえて負けているようではダメだ。あえて負けてもいい時に、あえて負けるのだ。
人生、勝ち負けなんかじゃないよ、というのはまず言えるのだが、これは決して自分以外の誰かとの勝負ではない。他人と比較して勝ったり負けたりではない。
自分との戦いだ。自分とその人以外の対象との勝負だ。
勝ったり負けたりしながらも、9勝6敗を目指して、優勝を目指す。
河合隼雄さんも『こころの処方箋』で
「100点以外はダメなときがある」「ここぞというところで100点をとらなければならないときがある」
と言っている。60点、80点でいい時もある。だけど、絶対100点が必要なときがある、と。
野球だって、相撲だって、全勝しなくても、優勝はできる。
絶対に落とせない試合、絶対に勝つべき試合があって、負けても仕方ない試合、あえて負けてもいい試合がある。
負けは次の勝ちにかなりつながってくる。あえて負けておいたその力を、今こそ、ここぞって時に出すのだ。そのために相当の準備と相当の努力。
ここぞって時に勝つために何ができるか。9勝6敗で勝ち越すために、ここぞって時に勝つために、今日も僕は精一杯生き抜く。